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食品のアレルギー表示一覧|義務9品目・推奨20品目と追加の経緯【2026年11月時点】

2026年11月時点、表示義務の特定原材料はカシューナッツを加えた9品目、表示推奨は20品目です。くるみ・カシューナッツの義務化、マカダミアナッツ・ピスタチオ追加の時期、一括表示と個別表示の読み方を消費者庁の資料で整理します。

内容の確認日:2026-11-01

画像はイメージです

結論:表示義務は9品目、表示推奨は20品目(2026年11月時点)

2026年11月時点で、容器包装された加工食品にアレルギー表示が義務付けられている「特定原材料」は、えび、カシューナッツ、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)の9品目です。表示が推奨されている「特定原材料に準ずるもの」は、アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、ピスタチオ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチンの20品目で、合わせて29品目です。

最近の変更は2026年4月1日です。それまで推奨品目だったカシューナッツが義務の特定原材料に移り、推奨品目にピスタチオが加わりました。カシューナッツには2028年3月31日までの経過措置があり、改正府令(令和8年内閣府令第34号)の附則によると、同日までに製造・加工・輸入される加工食品(業務用加工食品を除く)と、同日までに販売される業務用加工食品は、改正前の表示によることができます。そのため2026年11月時点では、カシューナッツの表示がない商品が経過措置として認められている場合があります。

この記事は、消費者庁の「食物アレルギー表示に関する情報」のページと、同庁の「加工食品の食物アレルギー表示ハンドブック」(令和8年4月版)、各年の通知・事務連絡をもとに、品目の一覧、追加・削除の経緯、表示の読み方を整理したものです。制度と表示の見方の説明で、食べられるかどうかの判断を助言するものではありません。

義務と推奨は何が違う?

特定原材料と特定原材料に準ずるもの(消費者庁の資料をもとに作成)
区分定めているもの表示品目数位置づけ
特定原材料食品表示基準(内閣府令)義務9品目発症数や重篤度から考えて、表示する必要性が特に高いもの
特定原材料に準ずるもの「食品表示基準について」(消費者庁次長通知)推奨(任意)20品目症例数や重い症状を示す人の数が継続して相当数みられるが、特定原材料に比べると少ないもの

義務の9品目は、表示しなければ食品表示基準の違反になります(経過措置期間中のカシューナッツを除く)。推奨の20品目は表示が勧められているもので、表示しなくても違反ではありません。消費者庁のハンドブックは、推奨品目を表示していない場合、その食品が推奨品目を「使用していない」のか「使用しているが表示していない」のかがわからないと指摘しています。

そのため同庁は、一括表示の枠の近くに「この食品は29品目のアレルゲンを対象範囲としています」「アレルゲンは義務9品目を対象範囲としています」のように、どこまでを表示の対象にしているかを書くことを望ましいとしています。包装にこうした記載があれば、推奨品目まで確かめて表示しているかどうかを読み取れます。

特定原材料は、消費者庁がおおむね3年ごとに行っている全国実態調査(アレルギーを専門とする医師を対象にした調査)の症例数や重篤度を踏まえて定められています。ハンドブックは、原因となる品目は時代とともに変わる可能性があるため、新たな知見や報告が得られれば適宜見直すとしています。

29品目の一覧と、同じ意味になる書き方(代替表記)

原材料名の欄では、品目名そのものではなく、別の書き方で表示されることがあります。消費者庁は、品目名と同じものだとわかる書き方を「代替表記」として定めていて、代替表記で書かれていれば「〇〇を含む」の表示を省略できます。表の代替表記は、ハンドブックに掲載されているもの(掲載されたものに限られます)です。

アレルギー表示の対象29品目と代替表記(消費者庁ハンドブック 令和8年4月版をもとに作成)
品目区分代替表記
えび義務海老、エビ
カシューナッツ義務(掲載なし)
かに義務蟹、カニ
くるみ義務クルミ
小麦義務こむぎ、コムギ
そば義務ソバ
卵義務玉子、たまご、タマゴ、エッグ、鶏卵、あひる卵、うずら卵
乳義務ミルク、バター、バターオイル、チーズ、アイスクリーム
落花生義務ピーナッツ
アーモンド推奨(掲載なし)
あわび推奨アワビ
いか推奨イカ
いくら推奨イクラ、すじこ、スジコ
オレンジ推奨(掲載なし)
キウイフルーツ推奨キウイ、キウィー、キーウィー、キーウィ、キウィ
牛肉推奨牛、ビーフ、ぎゅうにく、ぎゅう肉、牛にく
ごま推奨ゴマ、胡麻
さけ推奨鮭、サケ、サーモン、しゃけ、シャケ
さば推奨鯖、サバ
大豆推奨だいず、ダイズ
鶏肉推奨とりにく、とり肉、鳥肉、鶏、鳥、とり、チキン
バナナ推奨ばなな
ピスタチオ推奨ピスタチオナッツ
豚肉推奨ぶたにく、豚にく、ぶた肉、豚、ポーク
マカダミアナッツ推奨マカデミアナッツ
もも推奨モモ、桃、ピーチ
やまいも推奨山芋、ヤマイモ、山いも
りんご推奨リンゴ、アップル
ゼラチン推奨(掲載なし)

代替表記のほかに、品目名や代替表記を含んでいて、その品目を使った食品だとわかる「拡大表記」もあります。ハンドブックの例では、小麦粉、くるみパン、厚焼玉子、プロセスチーズ、ピーナッツバターなどがこれに当たり、この場合も「〇〇を含む」を省略できます。ただし卵白と卵黄は、事故を防ぐ観点から省略できず、「卵白(卵を含む)」のように書く必要があります。

乳の代替表記のうち、ミルク、バター、バターオイル、チーズ、アイスクリームは「乳」の字を含みません。ココナッツミルクやカカオバターのように乳を含まないまぎらわしい名前の食品もあるため、ハンドブックは、できるだけ「乳成分を含む」と表示することが望ましいとしています。

いつ何が追加・削除された?(2019年以降)

表示対象品目の主な変更(消費者庁の通知・事務連絡をもとに作成)
日付変更内容経過措置変更後の品目数(義務/推奨)
2019年9月19日アーモンドを推奨品目に追加—(推奨のため)7/21
2023年3月9日くるみを推奨品目から義務の特定原材料へ移行2025年3月31日まで8/20
2024年3月28日マカダミアナッツを推奨品目に追加、まつたけを推奨品目から削除—(推奨のため)8/20
2026年4月1日カシューナッツを推奨品目から義務の特定原材料へ移行、ピスタチオを推奨品目に追加カシューナッツは2028年3月31日まで9/20

各変更の理由として、消費者庁の文書は次のように説明しています。アーモンドはアレルギー発症者の増加(2019年の消費者庁次長通知)。くるみは症例数の増加等(2023年の事務連絡)。マカダミアナッツの追加とまつたけの削除は、令和5年度に策定した「アレルゲンを含む食品に関する表示のうち、特定原材料に準ずるものの対象の考え方について」を踏まえたもの(2024年の事務連絡)。カシューナッツは全国実態調査における症例数等、ピスタチオは全国実態調査で症例数が継続して相当数みられること(2026年の事務連絡)です。

カシューナッツについては、くるみを義務化した2023年の事務連絡の時点で、木の実類の中でくるみに次いで症例数の増加等が認められるとして、表示していない事業者に可能な限り表示するよう努めることが呼びかけられていました。2026年の事務連絡では、ピスタチオについても、カシューナッツとの交差反応性も踏まえて、可能な限り速やかに表示に努めるよう事業者を指導するよう求めています。

品目数の欄は、2026年4月時点の9品目・20品目から、各回の追加・削除をさかのぼって計算した値です。この記事では、消費者庁のアレルギー表示のページに掲載されている2019年以降の通知・事務連絡を扱い、それ以前の経緯は含めていません。

表示の見方:個別表示と一括表示

アレルギー表示は原材料名・添加物の欄に書かれ、書き方は「個別表示」と「一括表示」の2つです。原則は個別表示で、原材料ごとにその直後の括弧内に含まれる品目を書きます。表示できる面積が限られるなど個別表示がなじまない場合に限り、原材料欄の最後(原材料と添加物で欄を分けている場合は、それぞれの欄の最後)にまとめて書く一括表示を使えます。2つの方法を組み合わせることはできません。

個別表示と一括表示の書き方(架空の商品「クッキー」の例)
方式表示例読み方
個別表示(原則)原材料名:小麦粉、砂糖、植物油脂(大豆を含む)、卵、アーモンド、脱脂粉乳、食塩/膨張剤、乳化剤(大豆由来)原材料ごとに、その原材料に含まれる品目がわかる。小麦粉・卵・アーモンド・脱脂粉乳は名前でわかるので「を含む」を省略
一括表示(例外)原材料名:小麦粉、砂糖、植物油脂、卵、アーモンド、脱脂粉乳、食塩/膨張剤、乳化剤、(一部に小麦・大豆・卵・アーモンド・乳成分を含む)最後の括弧に、食品全体に含まれる品目がすべて並ぶ。どの原材料に含まれるかはわからない

表の例は、ハンドブックの規則に沿ってこの記事で作った架空のものです。一括表示では、小麦粉や脱脂粉乳のように名前で品目がわかる原材料についても、品目を最後の括弧に書く必要があります。品目が2つ以上続くときは「・」でつなぎます。乳は「乳成分を含む」と書き、添加物では「乳由来」と書きます。

表示を読むときのポイント(消費者庁ハンドブック 令和8年4月版をもとに作成)
項目決まり
繰り返しの省略個別表示で、同じ品目が複数の原材料に含まれるときは、どれか1か所に書けばほかは省略できる
可能性表示の禁止「入っているかもしれない」のような単なる可能性の表示は認められていない
注意喚起表示製造ラインでの混入(コンタミネーション)を防ぎきれない場合は、「本品製造工場では〇〇を含む製品を生産しています」などの表示が推奨されている
対象外の品目米など29品目以外のアレルゲンは、一括表示の枠内には書けない。書く場合は枠の外に任意で表示する
「使用していない」表示使用していない旨の表示は、必ずしも「含んでいない」ことを意味しない
小さな包装表示できる面積が30㎠以下でも、アレルギー表示は省略できない

個別表示で繰り返しが省略されていると、ある原材料の括弧に品目が書かれていなくても、その原材料に含まれていないとは限りません。どの原材料に何が含まれるかを確かめたいときは、製品のウェブサイトなどで事業者が出している詳しい情報を見る方法があり、ハンドブックもウェブサイトでの情報提供を有用としています。

アレルギー表示の対象にならないもの

表示の対象外・免除(消費者庁ハンドブック 令和8年4月版をもとに作成)
区分例・内容補足
容器包装に入れずに販売する食品ばら売り、量り売り対象外
設備を設けて飲食させる食品飲食店で提供される料理、出前飲食店でも容器包装に入れた食品を販売する場合は表示が必要
酒類食品の製造に使うアルコールを含む症状がアレルゲンによるものかアルコールの作用によるものかの判断が極めて難しいため、現時点では義務の対象外
抗原性が認められない食品・添加物精製が完全な乳糖など表示義務が免除される
特定原材料に由来する香料—現時点では義務付けていない。ただし、特定原材料等がそのまま使われている香料、特定原材料由来で蒸留などの精製工程を経ていない香料、特定原材料等を副剤に使った香料は表示が必要

表示が義務付けられているのは、容器包装された加工食品と添加物です(アレルゲンに由来する添加物を使った場合は、一部の生鮮食品も対象になります)。量り売りの総菜や飲食店の料理には表示の義務がないため、包装に表示があるかどうかは、どこでどのように売られている食品かによって変わります。

よくある疑問

表示が「乳」ではなく「乳成分」なのは、ハンドブックで原材料に含まれる場合は「乳成分を含む」と書くことになっているためです。添加物の場合は日本語としての意味合いから「乳成分由来」ではなく「乳由来」と書きます。

カシューナッツを使っていても表示がない商品があるのは、2028年3月31日までの経過措置があるためと考えられます。改正府令の附則で、この期限までに製造・加工・輸入される加工食品(業務用加工食品は同日までに販売されるもの)は改正前の表示によることができるとされているので、2026年11月時点では、カシューナッツを使っていても表示がない商品が店頭にある可能性があります。

ピスタチオやマカダミアナッツは推奨品目なので、表示は事業者の努力に任されています。消費者庁は、ピスタチオについて可能な限り速やかに表示に努めるよう求めていますが、表示がないことは含まれていないことを意味しません。

参考資料

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